海神夜話
占いも祈祷もままならぬ「出来損ない」の巫女が、海辺で拾ったのは――物を食べたことがない、未熟な神だった。 遥か古代、海と森に抱かれた珠流可(するが)の村。 巫女・千沙帆(ちさほ)は、自分の居場所を見つけられずに苦しんでいた。 ある夜、海で溺れかけた銀髪の青年・穂積(ほづみ)を助ける。 神にも人にもなれぬ海神の子。 何も食べたことがないという彼に、千沙帆は初めての一口を差し出す。 幼馴染の若長・隼彦の、愛と支配の境を見失った執着。 村を飲み込む災厄の足音。 「喰らう」という禁忌が二人を絡め取るとき、千沙帆は何を選ぶのか――。
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