somewhere far away
目的地はどこへでも。
復讐を願う少年と、死にたがりの魔女。これは——忘れるためのテイル。
代償と引き換えに、どんな願いも叶える全能の魔女、リリアン・ロア・レヴァンス。
偉大なる魔法の代償は『彼女と過ごした日々の記憶』。
忘却と喪失のなかでリリアンは願う。
「誰かの記憶に残ること」それから「長い旅の終着」を。
——あの夜、私は愛する女を喰らった。
占いも祈祷もままならぬ「出来損ない」の巫女が海辺で拾ったのは――物を食べたことがない、未熟な神だった。
幼馴染の若長・隼彦の、愛と支配の境を見失った執着。村を飲み込む災厄の足音。
「喰らう」という禁忌が二人を絡め取るとき、千沙帆は何を選ぶのか――。
全34話・約8万文字
記録的な猛暑日。イチの恋はこうして終わった。
好きって、どうしてこんなに難しいんだろう。
台詞じゃ隠しきれない気持ちが、胸の奥で騒ぎ出す。
これは、私とイチと、好きな人のお話。
全6話・約2万字・創作大賞2025恋愛小説部門 中間選考通過作品
釣りの話です。――たぶん。
誰にも邪魔をされたくない。ひとりで釣りをする、大切な時間。
……だったのだけれど。
「先輩、見てください! 今日は仕掛けを自作してみたんです!」
なぜか最近、後輩がついてくるようになった。大きな声でよく笑い、いつもちょっと距離が近い。
――月夜の海で始まる、釣りと恋?の物語。
不定期更新
サーカスが来るよ。輝く幻想を引き連れて。残るものはなアんにも無い。
迷子の心を連れ去って、 世界のほつれを縫い直して、 残酷で、優しい幻を見せてあげる──。
これは、現実の裏側でひっそり開かれる、 壊れかけた心と失われた声のための、演目たち。
掌編連作
人の全てを暴き、命の価値が明確になるその本を『禁書』と呼ぶ。
人は一冊の本とともに産まれてくる。
そこには、その人間の過去も未来も、死に至るまでのすべてが記されている。
人々はそれを畏れを込めて「禁書」と呼び、
限られた者だけが、その運命を読み解くことを許されていた。
旅人は帰らない。それはこの世界の決まりごとのようなものだった。
砂と風の世界で、若き放浪者ヴィスタは迷う。
地図は古び、方角は揺らぎ、信じた指針は当てにならない。
それでも彼は歩く。
すべてを背に負い、頼れるのは共に旅を続けてきた相棒ノーブル──言葉を持たぬラクダだけ。
約5000文字
地球儀を回せば、還る場所が見える──。
宇宙の静けさに抱かれながら、ふたりは言葉と沈黙を交わす。
幼い日々、分かれた道、そして今にいたる軌道。
握った手の温もりが教えてくれる。
これは、ありがとうと、またねを交わす旅。
※地球儀をお題にした小説です。
あれは、夢だったのだろうか。 それとも、今も私を探しているのだろうか。
彼を初めて見たのは、五歳の秋。
熱で寝込んだ私の部屋に、
夕暮れの赤が差し込み、そして「彼」が現れた。
何度も繰り返される、同じ夢。
夢の中の彼は、少しずつ、少しずつ、近づいてくる。